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ヒューマノイドロボット

本研究は、ヒューマノイドロボットの二足歩行を表現する厳密なダイナミクスの作成を目的としている。安定な制御器の設計という観点で考えると、厳密なヒューマノイドロボットのダイナミクスは強い非線形性や様々な干渉を持つため、リミットサイクルに収束するような安定な歩行を実現する制御器の設計は困難であり、複雑なモデルの作成は敬遠されることが多い。そのため、線形近似や倒立振子モデルに置き換えたヒューマノイドロボットのモデルを作成し、ZMPなどを利用して安定な二足歩行を実現している。私達人間の足は地面に対して、踵やつま先による点接地と足全体による面接地を切り替えながら歩いたり走ったりしている。しかしながら、単純化されたモデルは足を点として扱っているため面接地の状態を表現することは不可能である。さらに、従来のダイナミクスには現実世界に存在する足の滑りが含まれていない。そのため、本研究で取り扱うモデルは足の滑りを考慮し、歩容に応じて足の点接地と面接地を適切に切り替えるというものであり、一切の近似を行っていないモデルである。本研究において私達が強調したいことは次の2点である。
1.Newton-Euler(ニュートン・オイラー)法の適用運動方程式を導出する(順動力学を解く)ときに、Newton-Euler法を利用している。一般的に用いられるLagrangeの方程式とは異なり、偏微分などの計算を必要とせず比較的少ない計算回数で順動力学の計算が可能である。また、各リンクに作用する内力の導出も可能であり、力やトルクに基づいた議論が可能となる。
2.面接地と点接地では、ダイナミクスの次元が変化する滑りがない状態で支持脚の足(foot)の面が完全に接地している間、その足は全く運動を行わない。すなわち、面接地を行っている足に関する変数(関節角度)は、ダイナミクスから排除可能である。そのため、支持脚の状態に応じてダイナミクスを構成する変数の数が変化する。
3.多自由度冗長マニピュレータは自重が増加する傾向があり、機構の詳細設計や高速・高精度な運動制御を考える際には、運動学的な観点のみに基づく概念ではなく、動力学を考慮した形状変更能力を評価する指標が必要となる。そこで本研究では、動力学的な観点も含めた上での冗長性の利用により実現可能な形状変更能力を示した概念「動的形状変更可操作性(Dynamic Reconfiguration Manipulability) DRM」を提案する。この操作性の良し悪しは、特異姿勢からの距離を表す指標やデカルト空間のさまざまな方向に対する動きやすさを楕円体として表わされる。また、冗長マニピュレータのみでなくヒューマノイドロボットへ適用し、ロボットの最適設計や形状最適化のための運動性能の一つである評価指標を与える。

  • 腕振り歩行
  • 不整地歩行
  • DRMを用いた運動解析
  • 腕振りを用いたジャンプシミュレーション

ビジュアルサーボイング

近年、ロボットビジョンの分野では、視覚情報をロボットのフィードバック情報として用いるビジュアルサーボと呼ばれる運動制御が注目されている。視覚情報を用いることにより変化する環境や未知の環境でのロボットの活躍が期待される。視覚情報を利用するために、二つのカメラをロボットのハンド先端につけたハンドアイ構成を考える。カメラがハンドに固定されているシステムならば、対象物がカメラに近いとき対象物を認識できないことや、ハンドの振動の影響で対象物がカメラの画像中心に映りにくくなるなどの欠点がある。これに対し本研究ではロボットの手先とカメラ視線方向を同時に制御できるHand/Eye-Vergence二重ビジュアルサーボシステムを提案する。

  • 実験映像
  • 6自由度ビジュアルサーボイングの実機での実験映像

グラインディングロボットの力学制御

現在、製造業におけるロボットの用途は多種多様になっており、工作機械に多く利用されている。例えば、溶接作業、組立作業、研削作業などがある。研削作業を行うグラインディングロボットでは、力センサを用いてフィードバック制御を行うものが多く見られる。しかし、力検出に用いる力センサは、歪みゲージによって力を計測しているため大きな力や衝撃が加わると破損してしまうおそれがあり、破損した場合には交換修理せざるを得ない。本研究では力センサを用いずにフィードフォワード制御によって、目標形状の研削が行える手法を目指しているが、研削作業中にグラインダの運動に振動が発生し、これにより研削の精度が下がってしまう問題があった。そこで本報告では、振動を抑制する方法として、位置制御のゲインを変えることで前述の問題の解決を目指す手法を提案する。さらにその振動抑制効果を確認するため、実機を用いて実験と比較を行った。また、削り出し開始位置の変更に伴うグラインダ刃先の研削対象物表面に対する接触角度の変化によって生じる影響を調べるとともに、削り出し結果を示す。

  • 実機を用いた実験映像

魚の捕獲ロボット

私たちはロボットと魚の敵対的関係を用いて、魚の学習速度を計測する実験を行ってきた。ロボットが追う者であり魚が追われる者である。ロボットのハンドに網が取り付けられており、ビジュアルサーボで魚を追従し捕獲するシステムを用いた。捕獲実験を続けると魚は網の動きを学習し、網から一定の距離をとって逃げる、プールの隅に逃げ込むなどの回避戦略を考え出した。魚の学習速度は連続捕獲/解放実験による一定時間あたりの捕獲数の減少傾向からわかると考えられる。このような魚の回避戦略に対抗するため、カオスおよび乱数をロボットの網の動きに加え、魚の学習速度を低減できるか捕獲実験によって調べた。魚の学習速度の低減は相対的にロボットの知能増加と考え、研究を続けている。

    

肘つき冗長マニピュレータ

多関節マニピュレータ等の複雑な形状を持つロボットはリンクの数が増えるほどそれに伴い冗長性が増し、より入り組んだ複雑な構造や対象物に対しても作業が可能になる。しかしその反面、リンクの数が増えるほどマニピュレータの自重の増加による重力の影響や多くのリンクからの動的干渉が増えてしまい、そのため手先の制御精度が悪くなり、制御するためにはより大きな力、消費エネルギーが必要になってしまう。そこで、人間は肘や手首をつくことによって少ない力で精度の高い作業ができることを考え、マニピュレータも同様に少ないエネルギーで作業が行えるのではないかと考える。そこで、肘をつく運動の有効性をシミュレーションにより示す。

       

飛翔体の重心位置制御

ヘリコプタを模擬した劣駆動型飛翔体を制御対象として考え、その姿勢の安定化法について検討を続けている。ヘリコプタは構造が複雑であり、非線形性が強く、飛行中に風などの外乱を受けやすいため姿勢を保つのが困難である。また、近年航空機の墜落事故の原因として荷崩れによる重心位置の変化が考えられている、そこで本研究では劣駆動型飛翔体の重心位置とピッチ角に対する周波数応答の関係を周波数応答実験により調査する。

   

アルミ板の温度制御

現在,産業分野において「制御」は必要不可欠であり、様々な手法が提案されている。産業界で最も多く用いられているPID制御は、構造が簡単であり制御パラメータが現場の技術者にとって直感定期に理解しやすいというメリットがある反面、それぞれのゲインを決定するためには入力に対する応答を知る必要があるということや、多入出力系のようにプロセスが複雑になってくると制御器を実装する際、最適なPIDパラメータを探すのが困難である、というデメリットが挙げられる。制御系は、制御対象の特性に合わせて設計しなければならないため、一般に、設計時には制御対象の特性が既知、すなわち、制御対象を記述する数学モデル(伝達関数、状態方程式など)およびそれに含まれるパラメータが既知でなければならない。しかし、実際の制御対象を考えると、その特性が環境や動作条件に応じて変動した数学モデルでは記述できないような要素を含むことが多い。たとえば、航空機の動特性は、高度、速度、姿勢などの飛行条件により大幅に変動する。また、ロボットアームの場合も、その動特性は姿勢や負荷条件によりかなり異なったものになることが知られている。このように不確かな制御対象に対する制御法のうち、最も実用的な手法の一つとして、一般化予測制御法(Generalized Predictive Control:GPC)が挙げられ、その制御則は、評価関数の最小化に基づいて導出される。 これまでGPCは、古典制御理論では周波数領域において制御系の設計および解析が行われてきた。一方、状態空間表現におけるGPCは従来、石油プラントなどサンプリング時間の長いシステムに適用が限られてきたが、近年計算機性能が目覚しく発達したことに伴い、動特性の速い制御対象に対しても適用されるようになった。よってGPCを用いることで、PID制御では扱いにくい系が扱いやすくなると考えられ、実際のシステムに対して有用な制御手法と言える。GPCの制御則は2自由度構成することで、モデル化誤差や外乱が存在する場合のみ積分補償の効果が働くため、モデル化誤差や外乱が存在しない場合の目標値応答と、それらが存在する場合の目標値応答を独立に調整できるようになる。さらに2自由度構成したGPCを用いて熱可塑性素材の製品生産や、医療分野における温熱治療器の開発に向け、実環境と同様に3次元の熱の拡がりを考慮し、材質等形状を任意に変更できるたモデルを構築し、シミュレーションを行っていく。

  • アルミ板の温度制御

ロボティックIVR

年々、医療技術は進歩している。そのひとつにX線装置やカテーテル等の器材の発達により飛躍的な進歩を遂げているInterventional Radiology(IVR)と呼ばれる手術法がある。IVRとは、X線透視や超音波像、CTなどの画像診断技術を利用して体内にカテーテルや針を挿入し治療を行う手術法のことで、様々な治療に応用されている。IVRには,、外科的手術と比較すると侵襲性が低く、局所麻酔での治療が可能であるというメリットがある。また、術後3日から4日で退院できるという事例が多く、近年、IVR手術の数が増加している。しかし、現状の肺がんに対するIVR手術では、CT装置下において医師が針やカテーテルを把持して治療を行っているため医師への放射線被曝が危惧されている。そこで、ロボットを遠隔操作しラジオ波凝固療法を行うことで医師への放射線被曝の低減を考える本研究では、肺がんに対するラジオ波凝固療法を支援するロボットの開発を行っている。IVRロボットの紹介ページへ→

倒立振子型車両

A lot of researches on inverted pendulum cart are conducted in recent years. And it is attracted as a personal vehicle which realizes energy saving for many practical applications, such as the Segway and the P.U.M.A. The personal mobility has the advantage of energy efficiency for transportation because the cart is small and light. However, since most conventional personal vehicles require a certain level of physical ability from the driver, it is not suitable for elderly and disabled people to drive. Therefore, an inverted pendulum cart with a sliding mechanism for posture control is developed as a personal mobility available for anyone. And we aim for realization of acceleration and deceleration while keeping the angle of the cart perpendicular.

不定形物体の形状認識

人間の身の周りに存在する紙や布、テープといった、位置姿勢が一定に定まりにくい物体をロボットで自在に操る要求は大きい。このような操作を実現する為には、不定形物体がどのような形状であるかを、画像情報を用いてロボットに認識させることが重要となる。本研究では、オプティカルフローを用いた不定形物体の形状推定を行っている。

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